97%成功する習慣化の5つの極意

「習慣は、火をつければ燃え上がる。」

ウィリアム・ジェームズ (心理学者)

「今年こそは運動を習慣にしてスリムになりたい!」
「早起きして読書する習慣を作りたい!」
「英語を学んで海外に行きたい!」

そう意気込んでやってみたものの、
三日坊主で終わってしまうこと…ありませんか?

私は幾度となく、三日坊主を繰り返し、
その度に自己嫌悪に陥っていました。
「なんでこんなに自分はだらしないんだろう」と。

でも、とあるテクニックを学んだことがきっかけで、
休日は昼過ぎまで寝て、運動大嫌いのだらしない私が、
今では朝5時に起きて、ランニングに行くほどに習慣を改善できました。

なぜ改善できたかというと、あることに気が付いたからです。

皆が思いどおりに習慣化できないのは、
意思が弱いからではなく、
だらしない性格のせいでもなく、
正しい戦略を知らないことにあるのだと。

正しい戦略とは、
報酬・簡単・ルーティン・最小目標・記録
つの極意を用いた習慣を取り入れることです。

本記事は、
達成したい目標があるにも関わらず、
「めんどくさい」と悩むすべての人に向けて、
努力や根性に頼らずに、習慣化を達成するための具体的な解決策を紹介します。

正しい戦略で実行すれば、
97%の確率で習慣は身につけることができます。

このブログを通して、
あなたの叶えたい目標のために、
最高の習慣を手に入れてください。

shin

習慣の力を手にしたいのか?

なぜ、歯磨きは習慣化できているのか?

「私たちの行動は周りの状況からではなく、私たち自身の選択によって決まる。」

スティーブン・R・コヴィー (作家)

本題に入る前に、
実はみんな、習慣化に成功している
とても良い習慣が一つあることに、気付いていますでしょうか?

それは、歯磨きです。

歯磨きは良い習慣の代表例であり、
ほとんどの人が習慣化できている数少ない習慣です。

厚生労働省の統計調査(令和6年)によると、
おおよそ97%の国民が毎日1回以上の歯磨きを行なっているそうです。

実は、これほど多くの国民が、良い習慣を成功させているのに、
なぜ、他の習慣は、身につけるのが難しいのでしょうか?

実は、ここに習慣化のヒントが隠されているのです。

つまり、歯磨きという習慣が成功できた理由を分析し、
他の習慣に適用することができれば、
それらの習慣も身につけることが可能であるということです。

例えば、
歯磨きはスッキリするという「報酬」があり、虫歯という「」があります。
歯ブラシと歯磨き粉だけでできる「簡単さ」があり、
朝ごはんを食べた後にすぐにやるという「ルーティン」もある。
目標設定」も最小限で、
白い歯という「目に見える成果」がある。

要素を分解して考えると、
習慣化に必要な要素を全て満たしているのです。

つまり、習慣化に必要なのは、
これらの要素を意識して習慣に組み込むこと。
が重要になっていきます。

そして、全てを有効に取り入れることができれば、
歯磨きと同じように
97%の国民は習慣化に成功するでしょう。

それでは、これから一つずつ内容を解説していきます。


1.報酬性

「仕事と遊びを区別しない。ただ、好きなことをしているだけだ。」

デール・カーネギー(Dale Carnegie, 作家・教育者)

「ご褒美」をセットする

歯磨きは、一見すると単純でつまらない作業ですが、
何故か毎日欠かさずにできていますよね。

理由の一つは、報酬にあります。

歯磨きにおける
報酬とは何かといえば、「スッキリする」・「気持ち良い」という感覚です。
歯磨き粉にミントや人工甘味料が含まれるようになってから、
本来、苦くてつらい体験だった歯磨きが、甘くて快適な体験に変わりました。

一見すると、ただ歯磨き粉の味が変わっただけと思う方もいると思いますが、
報酬というのは、習慣化する上で欠かせない重要な役割を果たしているのです。

人間は、行動の結果としてポジティブな感情や感覚を得ると、
その行動を繰り返すように脳がプログラムされています。

簡単に言うと、「〇〇をしたらこんな良いことがあった!」という経験を、
何回も繰り返してしまうことです。

例えば、ギャンブルで当てた快楽を忘れられずに、
依存していくギャンブル中毒者が典型的な例です。

悪く言えば依存症状ですが、上手にこの性質を利用できれば、
良い習慣に報酬を結びつけて、習慣化しやすくすることができます。

この性質を応用した行動経済学の手法が、
テンプテーション・バンドリング(誘惑の抱き合わせ)です。

どういうことかというと、
その習慣自体を好きな習慣へと変えてしまったり、
全く別の好きな習慣と結びつけてしまえば良いのです。


そうすれば、つらくて大変だった習慣も、
好きでやめられない習慣へと変わっていきます。

例えば、以下のような実践例があります。

【テンプテーション・バンドリングの実践例】

  • 食器洗い:とびっきり良い香りのする洗剤を使う。
  • 勉強や読書など:カフェで好きな音楽を聴きながら、お気に入りのコーヒーを飲む。
  • ランニング:好きなラジオを聞きながら走る。ランニング後に食べたいものを食べる。帰りに温泉に入る。

こんな風に自分へのご褒美があれば、
ちょっと頑張れそうな気がしてきませんか?

この手法を使った国レベルの成功例があります。
南アフリカのケープタウンで実施された「Hope Soap(ホープソープ)」プロジェクトです。
このプロジェクトでは、子供たちが魅力を感じるような、
おもちゃ(小さなフィギュアなど)を透明な石鹸の中に埋め込みました。
さらに、石鹸自体も子供たちが好む良い香りにしたのです。
この工夫により、子供たちは早くおもちゃを手に入れたいという気持ちから、
喜んで頻繁に手洗いをするようになりました。
結果として、この地域での呼吸器系疾患や下痢などの病気が大幅に減少したと報告されています。

あなたにとって大事なつらい習慣とはなんでしょうか?
どうすれば、その習慣を好きになれるでしょうか?


習慣というのは楽しくやらなければ続きません。
そして、何事も楽しくやっている人間は無敵です。
習慣化を邪魔するものを突破していけるほどの強い力になります。

習慣に報酬をセットし、習慣をまずは好きになりましょう

shin

でも、仕事を頑張るためにお酒を報酬にしたり、
ダイエットの報酬としてハイカロリーなお菓子を食べたら、
習慣の意味がなくなっちゃうから気をつけてね!

罰を与える

というのも、人間の行動を強制する手段の一つです。

例えば、歯磨きをしないとどうなるでしょうか。
歯に汚れが溜まり、口臭や虫歯の原因になります。
その結果、周りの人から嫌われて、社会的な評価も下がり、
美味しい食事を食べることも制限されてしまいます。

つまり、
「それをやらないと、どんな罰が待っているか」
が明確にイメージできていれば、

モチベーションに頼らずに
行動を矯正することができます。


歯磨きの場合であれば、罰はわかりやすいですが、
運動や勉強といったものであればどうでしょうか。

運動や勉強は、やらなくてもなんとか生きていくことは出来ます。
口臭や虫歯ほどの明確な罰というのもありません。
つまり皆、「やらなくても大して問題が起きない」と思っているので、
やらないのです。

しかし、運動をサボれば、
身体は衰え、疲れやすくなり、怪我や病気に繋がって、
いずれ身も心もボロボロになります。
勉強をサボれば、行きたい学校に行けず、
取りたい資格も取れないし、仕事も上手いかないし収入も上がらず、
周りに置いていかれる現状維持のつまらない人生になるでしょう。

今は良いかもしれませんが、
将来の自分が、体がボロボロで収入も少なく貧乏で、
生きる気力も楽しみもなく、
まるで罰を受けているかのように
人生を後悔して生きていたらどうでしょうか。

そんな人生を歩みたいとは誰も思いませんよね。

その「罰を受けたくない」という考えが、
悪い習慣への抑止力になり、
良い習慣を続けるための原動力にもなるのです。

また、一つ言える確かなことは、
今の習慣が将来の自分を形作るということです。
何故なら、今の自分は過去の習慣からできているからです。


太っているのは、過去にケーキやラーメンを食べる習慣のせい、
肝臓や肺を悪くしているのは、飲酒と喫煙の習慣のせい、
頭が悪いのは、勉強をしない習慣のせい、
お金がないのは無駄なことに散財してしまう習慣のせい、
自分が幸せじゃないのは、他人を幸せにしてこなかった習慣のせいです。

今の自分が罰を受けているとしたら、
過去の自分の習慣のせいです。
誰に言われずとも、自分が一番よくわかっているはずです。

しかし、
タイムマシーンが出来ない限り、過去の自分を殴りに行くことはできません。
将来の罰を回避するために今できるのは、たった一つだけ。
将来に向けて今の習慣を見直すことだけです。

shin

今の習慣を続けることで、
将来どんな罰が待ち受けているでしょうか?
どんな報酬を得ることができるでしょうか?

2. 簡略化

「人生をシンプルにすれば、宇宙の法則はシンプルになる。」

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau, 思想家)

まずは「簡単さ」を大事に

習慣化の成功は、その行動がいかに簡単にできるかで決まります。
例えば、歯磨きは歯ブラシと歯磨き粉があれば、洗面所に行ってすぐに始められます。
ランニングと違って、着替えや準備運動は不要です。
時間も長くはかかりません。音楽を聴きながらすることだってできます。

でもこれが、時間もかかる難しい行動であったらどうでしょうか。

例えば、
ダイエットをするなら、ジムに行って専門のトレーナーの下で
特別なメニューを指定された回数をこなし、毎日の食事を記録して、
徹底的な食事制限と栄養管理をしなければならない…。
なんて、考えただけで息が詰まりそうですよね。

きっと、「めんどくさいなぁ」「やりたくないなぁ」と
やる気を失ってしまうのは時間の問題でしょう。

言うまでもなく、難しい習慣というのは続きません。

難しいにも関わらず、
「絶対痩せてやる!」というようなモチベーションが高い人は、
そのやる気の高さゆえに習慣を難しくしてしまいがちです。
難しい習慣は、その難しさゆえにモチベーションの低下を招き、
みるみる勢いを失っていくでしょう。

逆を言えば、簡単な習慣というのは良くも悪くも続いていきます。

悪い習慣が定着しているのは、それが簡単だからです。
例えば、いつもお菓子ばかり食べてしまうのは、
お菓子が目の前にあり、
封を開けるだけで食べられるからです。
お菓子を食べようとして、
小麦粉と卵と砂糖を引っ張り出してきて、
クッキーを焼き始める人はあまりいないでしょう。

よって、習慣というのは出来るだけ簡単にすべきというのが基本戦略となります。
簡単であれば、習慣は続けることが容易になることでしょう。

…とはいえ、良い習慣というのは簡単なものばかりではありません。
運動、読書、勉強、料理、早起き、家計管理…。
どれも考えると難しいように思えます。

運動は辛いし、読書や勉強はつまらないし、
料理は難しいし、朝は起きれないし、家計簿なんて毎日付けてられない!

…と思っているのではないでしょうか。
でもそれ、難しく考えすぎていませんか?

例えば、
運動というのはジムに行かなくとも近所の公園や自宅で簡単に出来るはずです。
読書や勉強は、塾や予備校、カフェに行かなくとも、通勤途中やトイレの中でだってできます。
カレーを作るのにスパイスから作る必要はありません。料理に冷凍食品を使ったって良いはずです。
朝5時に起きる必要はありません。いつもより30分くらい早く起きれたら十分です。
家計簿は今の時代はスマホアプリで自動化できます。手帳にわざわざ記す必要はありません。

真面目に一生懸命やることが、
正解とは限りません。

簡単に出来ることは簡単に済ませて良いのです。

「こんなもん寝てても出来るよ」というレベルまで簡単にしましょう。
結果を出し続けている人というのは、
難しいことを毎日こなしている人ではなく、
楽勝に毎日を過ごしている人です。


幸いにも、社会には簡単化する方法について情報が溢れかえっています。
このブログでも紹介していきますので、
この「簡単化魔法」を習得してみてください!

他の習慣を犠牲にしない

「筋トレはジムに行って限界まで追い込まないといけない」だとか、
「料理は愛情込めて1汁3菜で栄養バランス良く」だとか、
一所懸命に頑張ることが美徳とされていますが、
見落とされているポイントが一つあります。

それは、良い習慣というは、一つだけではないという事です。

ジムに行って限界まで追い込んだ後、ぐったりと疲れてしまって、
読書や勉強を投げ出してしまっては、せっかくの他の良い習慣が台無しです。

他の習慣を犠牲にしてはいけません。

一つの難しいことを一所懸命に取り組んでしまうと、
その習慣に疲れてしまって、
他の習慣にも悪影響が及びます。


これは有名な話ですが、
Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズは、
黒のタートルネックとジーンズという服装を毎日着用する「私服の制服化」を実践していました。
これは、服を選ぶという「小さな決断」を排除し、「決断疲れ」を回避することで、
本当に重要な仕事の意思決定に集中するための戦略です。
アメリカのバラク・オバマ元大統領Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOも同様の戦略を採用しています。

この話からは、出来るだけ習慣を簡単にして、
いかに他の習慣を犠牲にしないかという大事なメッセージを受け取ることができます。

毎日全てを100%頑張ることはできません。
世界を代表するCEOや大統領がそうなのだから、
一般人が簡単にできることではありません。

全ての習慣を簡単にしてみましょう。
もしかすると、今まで良い習慣を取り入れられなかったのは、
他の習慣が難しかったせいかもしれませんよ…。

shin

そういえば、
ダイエットを頑張りすぎて仕事に支障をきたした結果、
リバウンドしたフクロウがいたな〜…。
「もう、頑張るのやめる!」って言ってたよ。

慣性の法則で

「行動がやる気を生む」
皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
「行動できない人はやる気がないから」というのは間違いで、
行動こそ、やる気の源泉なのです。

皆さんも心当たりはないでしょうか?
1ページだけ読むつもりが、何ページも本を読んでしまったり、
ちょっとだけ走るつもりが、何kmも走ってしまったり、
1つゴミを捨てたら、家の大掃除が始まってしまったり、
1枚だけポテチを食べたら、1袋全部食べてしまったり…。

人間というのは不思議なもので、一度行動を始めると、
なんか少しだけ楽しくなったり、やる気が出てきて、
その後もその行動を続けてしまうのです。

これは慣性の法則と言われる物理の法則で説明がつきます。
この法則のルールは、物体に力が加わらない場合、
静止している物体は静止し続け、
運動している物体は速さも方向も変わらない運動を続けるというものです。

これを習慣に当てはめるのであれば、
「動き出さなければ何も変わらないけれど、動き出しさえすれば、あとは自然と体が動き続ける。」
ということになります。

つまり、習慣というのは、
「最初の行動さえ成功できれば、あとは慣性が背中を押し続けてくれる。」
ということが言えるのではないでしょうか。

習慣を物理法則で説明するのは少し無理があるかもしれませんが、
人間も物体なので物理法則の影響は受けますし、
上記のような例に心当たりがある人も多いのではないでしょうか。

頑張るのは最初だけ

ただ、この法則には注意が必要です。
最初の行動というのは、
習慣で最もエネルギーを必要とするためです。

例えば、
物体が静止しているとき、物体には静止摩擦力というものが働きます。
重い家具を押してもビクともしないのはこの静止摩擦力が働いているからです。

人間の行動も同じです。
朝起きてベッドから降りる時、机に座って教科書を読み始めようとする時、
シューズを履いて走り出そうとする時、掃除を始めようと掃除機を出す時…。
なんか動き出すのが面倒で、始める前に諦めてしまう時って結構ありますよね。

何かを始めるのはとてもエネルギーが必要なのです。
でも、先に述べた簡単化によって、動き出しが簡単になれば、
動き出しにエネルギーを要しなくなるため、
簡単に動き出すことが可能になります。


そして、
動き出した後は坂道を転がるボールのように、
慣性の力を借りて、習慣はどこまでも続いていきます。

動き出すのがめんどくさくて、何事も長く継続できない人は、
習慣を簡単にして、慣性を味方につけましょう。

慣性以上にあなたの背中を押してくれる存在はありません。

悪い習慣を難しくする

先に述べたように、
良い習慣を身につけるには、習慣を出来るだけ簡単にすべきですが、
逆に悪い習慣を辞めたいのであれば、難しくすれば良いのです。

例えば、こういった風にするのはどうでしょうか?

  • お菓子は手の届くところに置かない。
  • スマホは寝室に持ち込まない。
  • SNS断ちには、アカウントごと削除しておく。
  • ゲームやテレビを処分する。
  • お酒・タバコを全て捨てる。
  • 通勤経路を変えてコンビニに寄らない。
  • 毎回鍵付きの棚に入れて、取り出しづらくする。
  • 悪口や陰口を言ってしまったら、その分褒める。
  • 二度寝しないように、自動的にカーテンが開き、電気が付くようにする。

自分を制御し続けるのは至難の業です。
目の前にお菓子があるのに、
手を出さないで我慢するのは、ほぼ不可能と言っていいでしょう。
私なら数秒も迷わずに、食べ尽くす自信があります。

人間の意思というのは、残念ながらそんなに強くありません。
気合い・根性で乗り切れるのは一時のみです。
今を気合いで我慢できても、将来の自分を信用してはいけません。

悪い習慣というのは根こそぎ駆除しなければいけません。
根を残せばそこからまた生えてきてしまいます。
例えば、1日1個、1日30分といったような中途半端な制限を作り、
自分の意思に頼り続けるのは、あまりおすすめできません。

悪い習慣をやめたいのなら、その習慣の根本を完全に断ち、
0(ゼロ)を目標にしましょう。

shin

良い習慣は簡単に、悪い習慣は難しく。
言われてみれば、当然のことのように思えるけど、
考えてみるとちゃんと実践できていない習慣もあったね。

3.ルーティン化

「我々自身は繰り返し行っている行動により作られる。
したがって、優秀さは行動ではなく習慣によるものだ。」

アリストテレス(Aristotle, 哲学者)

退屈なルーティン

作家の村上春樹は、
執筆期間中は毎日決まった時間に起き、決まった時間だけ執筆し、
その後ランニングをするという厳格なルーティンを維持しているそうです。

これに限らず、クリエイティブな仕事をするプロフェッショナルは、
もれなく独自のルーティンを毎日こなしています。

何故、プロフェッショナルは
退屈ともいえる同じ作業行程を繰り返すのでしょうか。

それは、「今日は何をやろうかな」と考えてから毎日をスタートするのは、
あまりにも時間と意志力の無駄使い
だからです。

朝の時間は1日において、最も頭がクリアで集中できる状態であり、
クリエイティブな発想をするのに最も適した時間とされており、
とても貴重な時間です。

そのとても貴重な時間を、
やるべきことを考える時間から始めるのはもったいないです。
それは、冒険する前に地図から描き始めるようなものです。
地図ならGoogleマップを開いて、さっさと冒険を始めてしまうべきです。

「モーニングルーティン」という言葉は、現代では一般的になりましたが、
あらかじめ、毎日のやるべきタスクをルーティンに固定化しておきましょう。
そうすれば、朝何をしようか考える時間も意志力も要さず、
川の流れのように澱みなく1日をスタートさせることができます。

例えば、朝7:00に起きたら、

  • 寝室のベッドメイキングをして、
  • 台所でコップ1杯の水を飲み、
  • 部屋のカーテンを開けて陽を浴び、
  • 窓を開けて新鮮な空気で1分間深呼吸、
  • リビングでストレッチや筋トレを10分間行ない、
  • 洗面所でコールドシャワーを浴びてスッキリする、
  • 最後はお気に入りのコーヒーをダイニングで飲んで15分読書をする…。

ポイントは、
いつ・どこで・何を・どのくらい・どのようにやるか(5W1H)を明確にすることです。
そこがぼんやりしていると、考える隙ができてしまい、
時間と意志力を無駄に消費してしまうので注意が必要です。

良い習慣をルーティンに組み込めば、
毎朝何をしようか考えなくとも、無意識に
「これをやったら次はこれをやる」とテンポ良く
自動的にタスクをこなせるようになります。


しかし、考えることもなく
機械的に毎日同じ行動を繰り返すのは、
とても退屈なことです。

人間は機械ではないので、
毎日全く同じ行動を取っていると、飽きてしまいます。
そんな時は少しだけ変化を加えましょう。

上記の例で言えば、コーヒーの種類を変えてみたり、
部屋の模様替えをしてみたり、ランニングのコースを変えてみたり、
ストレッチや筋トレのメニューを変えてみたりしましょう。

思わぬ変化や気付きを得られますし、
大事なルーティンを維持することができます。

退屈なルーティンは、
退屈ではないところへ連れて行ってくれます

トリガーを引け

そもそもルーティンとはなんでしょうか。
なぜ、個々の独立した行動が一連の行動となり、
「ルーティン」といった言葉で置き換わるのでしょうか。

それには、トリガー(引き金)というルーティンの秘密が関係しています。

パブロフの犬という話はご存知でしょうか?

これは条件反射を説明する有名な実験ですが、
食べ物を与える前にベルを鳴らされることが習慣となった犬は、
もはや食べ物が出てこなくとも、ベルが鳴らされた段階で
条件反射的にヨダレを垂らすという結果が観察されました。
ベルがトリガーとなり、ヨダレを垂らすという行動を無意識に引き出し出すようになったのです。

この実験は人間を含めた動物の学習行動を理解するのに役立ちます。
人間も何らかのトリガーによって無意識的に行動を促されていることがあります。

例えば、
自衛隊員の方は、たとえ深い睡眠に入っていたとしてもラッパの音が聞こえると飛び起きるそうです。
他にも、カフェで読書する習慣がある人は、違う場所でコーヒーの香りを嗅ぐと読書したくなったり、
お酒を飲んだ後に喫煙する習慣がある人は、どこにいてもお酒を飲むと喫煙したくなります。

このように何かをきっかけに、違う行動を引き起こすことを、
「習慣のトリガー」と呼びます。

習慣のトリガーが引かれると、
もはや考える余地もなく、身体が勝手に動いてしまうようになります。
身に染みた経験や習慣というのは、良い意味でも悪い意味でも、変えにくいのです。

この習慣のトリガーは、ルーティンの構築の基本的な考え方となります。
先に挙げた例で言うと、
「ベッドメイキングすると水を飲みたくなる」
「1分間深呼吸したら筋トレがしたくなる」
「コールドシャワーを浴びたら読書をしたくなる」…。
といったような感じです。

前の行動が次の行動を引き起こし、連鎖していく。
これがルーティンの真骨頂です。

例えば、
歯磨きを「お風呂あがりのルーティーン」
に組み込んでいる人は、多いのではないでしょうか。
お風呂から上がってタオルで身体を拭き、着替えて髪を乾かし、歯磨きをする…。
歯磨きをしていないと、なんかモヤっとして気持ちが悪い…。
このような習慣が出来上がっているのであれば、
これは習慣のトリガーがうまく機能しているでしょう。

このように、良い習慣を
トリガーの技術を用いてルーティン化すると、
「めんどくさかった習慣」
「やらないと気が済まない習慣」へと変化します。

例えば、「読書」をめんどくさい習慣として、
ルーティンにセットするとどうでしょうか。

先に述べた、報酬のセット化の技術を用いて、
コーヒーと読書を組み合わせてみます。
お気に入りのコーヒーは報酬でもあり、
読書を引き起こすトリガー(引き金)にもなります。

コーヒーの匂いを嗅ぐと読書がしたくなり、
コーヒーによって読書が素敵な体験になれば、
また読書をしたくなるという習慣の好循環が生まれます。
コーヒーに含まれるカフェインは覚醒効果や集中力を高める効果もあり、相乗効果が期待できます。

こんな風に、
ただルーティンを漫然とこなすのではなく、
トリガーや報酬を意識してルーティンを構築してはいかがでしょうか。

辛くて難しい習慣は続きません。
ルーティンも同じです。

ルーティンは、習慣を自動化するテクニックです。
出来るだけ簡単に楽しくすることで連鎖しやすくなります。
そして、ルーティンというのは繰り返せば繰り返すほど練度が上がり、
完成度が高まっていきます。
もはや息をするのに等しいレベルで習慣をこなせるようになれば、
いずれ果てしない境地に達していることでしょう。

トリガーはもう引かれているのです。

4. 目標の最小化

「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道だ」

イチロー(野球選手) 2004年

頑張らない戦略

野球のイチロー選手は、
小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道だ」という言葉を残しています。

これは、大きな目標(とんでもないところ)を達成するためには、
日々の最小目標(小さなこと)を確実に実行し続けることの重要性を説いています。

偉大な結果を残したスポーツ選手の言葉は、説得力があり胸に響きますよね。

でも、なぜ「小さなこと」と言ったのでしょうか?

というのも、
毎日全力で頑張ることが、とんでもないところへ行くたたひとつの道だ」
とも言えたはずだからです。

我々は、結果を出す一流の人達が、
死に物狂いで毎日頑張って努力を重ねていることを想像してしまいます。

当然ながら、それを一切否定することはできません。
成功には努力が不可欠で、多くの成功者は他人よりも何倍も努力していることでしょう。
イチロー選手の「小さなこと」は、普通選手の「大きなこと」なのかもしれません。

しかし、イチロー選手は「小さなこと」と言いました。
それは察するに、努力の大きさよりも
「継続」を重要視していたからではないでしょうか。

毎日全力で頑張って、それを達成するのは至難の業です。
例えるならば、
マラソンの42.195kmを、100m走のペースで走りきれる人はいません。
なのに、我々は長期目標のための短期目標を全力で取り組もうとしてしまいます。

人が叶えたい目標のほとんどは長期的なものです。
(志望校合格、ダイエット、マラソン完走、貯金100万円、運命の人との結婚…。)

習慣化するには、「毎日全力で頑張らないといけない」
という思い込みをまずは捨てましょう。
習慣化は「継続」が最優先です。
そのためには、毎日小さな目標を達成し続けることが重要です。
できっこない過大な目標を立ててはいけません。

頑張らない戦略で頑張りましょう。

人は空を飛べない

それに、毎日全力で頑張ることには、あまり意味がありません。

人間の機能には制限があるからです。

人間が1日で記憶できること、栄養を吸収できる量、筋肉を作る量、などには限度があります。
1夜漬けで勉強しても翌日の記憶定着率は、約26%であることが研究で明らかになっています。
薬を沢山飲んでも風邪は治らないし、健康食品を大量に食べても健康にはなりません。
筋トレやランニングを限界以上に追い込んでも、1日で成長できる筋肉量は限度があります。

1日にできることは、これらの制限に置かれることを常に意識しなければいけません。
「限界なんて存在しない!」とか「限界まで追い込まないと意味ない!」などと、
鼻息荒い方法論を唱える方もいますが、
それは、人間に意思や根性で空を飛べと言っているようなものです。
とても現実的な話ではありません。

そこで、現実的な方法として、
目標を最小化して、嫌になる直前まで頑張る」というのはどうでしょう。

例えば、
・腕立て伏せを1回以上やる。
・本を1ページだけ読む。
・5分だけ早起きしてみる。
できなかった自分に自己嫌悪を抱くと、自己肯定感が低下し、習慣が途絶えます。
先に述べましたが、習慣が良い体験と結び付かなければ、習慣化は難しくなります。
嫌と感じる習慣を続けることは困難だからです。

継続こそが大事であり、1日のパフォーマンスにこだわる必要はありません。
自分にとってちょうど良いバランスの目標に最小化しましょう。
最低1回、1ページ、1分でも問題ありません。
いずれにせよ、0よりも数万倍はマシです。

そして重要なのは、
いかに忙しくても、体調が悪くとも、雨が降っていようとも、最低1回は必ず実行すること。
「0にしない」ことが最も重要です。
火種があれば、火はまた燃え上がります。
習慣も途絶えさせなければ、また熱を取り戻せるはずです。

空を飛べないなら、1回だけジャンプしよう。

ただし、調子に乗ってはいけない

やる気がある時って、限界まで頑張ってしまいがちですよね。

やる気も体力もあるのに作業を途中で中断してしまうのは、
サボってしまっている気がしたり、
「もっとやれたのに!」、と不完全燃焼のような気持ちになってしまうのは当然です。

しかし、習慣化するためには、
限界まで頑張ることをやめ、
1日の作業の上限を定めることが有効であると知られています。


例えば、『スタンド・バイ・ミー』・『グリーン・マイル』など
数々の名作で知られるスティーヴン・キングという作家は、
50年以上300冊以上の作品を執筆している、習慣化の鬼ともいえる作家です。

彼は、一日に2000語という目標を立て、それを達成したら執筆を終えるというルールを設けています。
このルールが、彼の驚異的な作品数と長年にわたる創作活動を支えている一因と考えられます。

この作家に限らず、ヘミングウェイなどの著名な作家も
同じく1日の創作活動に上限を設けていますが、
いったいなぜ、「頑張らない」のでしょうか?

理由は様々あると思いますが、以下に考えられる要因を挙げてみましょう。

心理的リアクタンス

 自分の自由な選択や行動が外部から制限されたり脅かされたりしたときに、それに反発して自由を回復しようとする心理的な働きのこと。禁止されることで、その行動がより魅力的に見え、自分の意思で行動したいという欲求が強まるのです。
例えば、親に「勉強しなさい」と言われるとやる気がなくなる一方で、「もう勉強はやめなさい」と言われると、かえって勉強したくなるのがこの一例です。

ツァイガルニク効果

 人は「完了した課題」よりも「中断された未完了の課題」の方をよく記憶しているという心理現象(ツァイガルニク効果)があります。 ヘミングウェイのように、あえてキリの悪いところで作業を中断することで、脳は無意識のうちに次の展開を考え始め、翌日の創造的なプロセスを助ける効果が期待できます。

燃え尽き症候群

 調子が良いからといって1日のエネルギーを使い果たしてしまうと、翌日以降に深刻なスランプに陥る「燃え尽き症候群」のリスクが高まります。上限を設けることは、エネルギーを平準化し、持続可能な執筆活動を可能にするための重要なリスク管理と言えます。

認知機能と休憩

 長時間の集中は、脳の認知機能を低下させます。定期的な休憩や、一日の活動に上限を設けることは、脳をリフレッシュさせ、新たなアイデアが生まれる「デフォルト・モード・ネットワーク」という脳活動を活発にすると言われています。執筆から離れることで、かえって創造性が高まるのです。

どうでしょうか?
数々の効果が、「頑張らない」ことの重要性を示しています。

習慣は長期戦であり、マラソンによく例えられます。

100m走のペースで42.195kmを走れないように、
1日の限界まで追い込む努力を、何年も継続はできないでしょう。

人は、頑張りすぎると、頑張ったことに満足してしまうのです。
「今日の自分はよく頑張った」と。

その達成感は別に悪くないのですが、
本来は、成果に対して達成感を感じなければいけません。
だって、何も達成していないのだから。

頑張らないことは決して悪いことではありません。
悪いのは頑張っている自分に満足してしまうことです。
本来達成すべき目標を忘れて努力に酔いしれることです。

もし、習慣を身につけ、長期的に達成したい目標があるのであれば、
上限を決めるべきです。
燃え尽きずに、明日にエネルギーを持ち越し、
明日の自分にバトンを渡すのです。
「今日はここまでやったから明日はここからお願いね」と。

決して、
「今日できることは全てやり切った。明日はもうやることはない。」と
明日の自分の仕事を奪うようなことはしてはいけません。

調子に乗らずに軌道に乗りましょう

時間に縛られたくなければ、時間を縛る。

1日の作業の上限を定めることに併せて、
時間に対する大事な考え方があります。

時間に縛られたくなければ、時間を縛りましょう。
例えば、労働時間が8時間であれば、
「8時間もある、ではなく8時間しかない」と考えるのです。

「早く仕事が終わらないかなぁ〜」と考えて過ごす時間は拘束時間です。
「8時間でどのように仕事を片付けられるかな?」と効率的に過ごす時間は自由時間です。
時間に追われているのか、時間を追っているのか。
時間に縛られているのか、時間を縛っているのか。

自分で時間の主導権を握らなければ、あなたは時間の奴隷となってしまいます。

習慣というのは、あなたが選択した自由な時間のはずです。
なのに、いつの間にか
「今はランニングをしないといけない時間」
「読書・勉強をしないといけない時間」となり、
いつしか「〇〇しないといけない時間」という
拘束時間と成り果ててしまってはいないだろうか。

当たり前ですが、拘束される時間というのは
人にとって苦痛です。
そんな習慣が続くわけもありません。

時間の上限を定めて、その貴重な時間を愛しましょう。
習慣をダラダラと過ごすのはもったいないです。
「少し短いかもしれない」というくらいの時間で、
最大限のパフォーマンスを発揮するのです。

紛れもなく、あなたが選択して始めた習慣なのだから、
その習慣に拘束されてはいけない。
習慣に上限を設けて、その時間を貴重な時間を愛することができれば、
その習慣は輝き始めます。

あなたは習慣を愛していますか?

複利を信じる

このように目標を最小化し、頑張らない戦略の話をすると、
そんな目標だと、成果なんて出ないんじゃないか?」と心配になると思います。
気持ちはとてもよくわかります。
毎日腕立て1回ではムキムキマッチョマンにはなれないでしょう。

しかし、我々には、
アインシュタインが人類最大の発明と称した「複利」を利用できます。

複利とは、元本(もとになるお金)に利息を加えた合計額に対して、次の利息がつく仕組みのことです。
これを自己成長の分野に応用すると、
毎日1%の成長をしていくだけで、数年後には飛躍的に成長することが見込めます。

ジェームズ・クリアー氏のベストセラー『複利で伸びる1つの習慣』では、
「毎日1%の成長を1年間続けると、元の状態から約37倍に成長する」という有名な計算が紹介されています。
これがまさに、
日々の小さな積み重ねが大きな成果につながるという複利効果の力です。

毎日1%の成長だけで良かったのです。
毎日100%の力は要らないのです。
小さい目標をコツコツと毎日達成していくことで、
複利という発明の効果を最大限得ることができます。

例えば、雪山の頂上から雪玉を転がすことを想像してください。
転がる度に大きくなっていき、やがて巨大な雪玉と化します。
これがまさに複利なのです。時間はかかりますが、
転がるように簡単に着実に大きくなっていくのです。

1%の成長というのは抽象的でわかりづらいですが、
難しく考える必要はありません。
1日の始めに、昨日より改善できるポイントを考え実行し、
寝る前に成果を確認することを繰り返していけば良いのです。

例えば、こんな風に。

  • 筋トレの成果が出ないので食事の内容を変えてみる。
  • 乾燥しているので加湿器を稼働してみる。
  • 最近首が痛いので、枕の高さを調整してみる。
  • 家具の配置を見直して、断捨離してみる。
  • 家族との関係をより良くするために、毎日感謝を伝えてみる。

人によって、改善できるポイントは様々です。
自分の健康に対して何を改善できるか、
どうすれば効率的に時間を有効活用できるか、
大切な人との関係をもっと良くするために何ができるかを考えてみましょう。


ほんの些細なことで良いのです。
なにか少しだけストレスを感じることや、
気分が上がることを見つけて取り組みましょう。

今日から1%成長できますか?

5. 成果を記録する

「測定できないものは、改善できない。」

ピーター・ドラッカー(Peter F. Drucker, 経営学者)

目に見える進捗がやる気を維持する

人間は、成果が見えないとやる気を失います。

いくら勉強してもテストで良い点を取れない、
いくら運動しても痩せない、
いくら仕事を頑張っても評価されない。

そんな状況で頑張れる人はどれほどいるでしょうか。
たいていの人は、「もう頑張るのやめよ!」と、
努力を放棄して、楽になろうとするでしょう。

しかし、もし進捗が目に見えたらどうでしょうか?

今日の勉強ではこれを覚えた、
今日の運動は前回よりも1回多くできた、
今日の仕事は、前回よりも早く終わらせた。

少しでも、毎日目標に近づいていることが目に見えれば、
人はモチベーションを維持し、行動を強化することができます。


例えば、
アメリカ建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンは、
自身の自伝の中で、「13の徳目」を定め、
毎日それを実践できたかどうかを記録し、可視化していたことを記しています。
この日々の記録と反省は、彼の自己改善の習慣を支える強力なツールとなっていたそうです。

他にも、
ドラクエのようなRPG(ロールプレイングゲーム)のレベル上げが続くのは、
経験値という目に見えて貯まるポイントがあり、
次のレベルまでどのくらい貯めれば良いかがハッキリと分かるからです。
「レベルが上がるかわからないけど、スライムを1,000体倒してください」
というゲームであれば、皆コントローラーを投げ出すでしょう。

継続というのは記録にかかっています。

今日は何をどれくらいできたのかを記録することは、
継続にとって想像以上に効果があります。

記録方法は「日記の書き方」や「モーニングページ」など、
様々な文献で紹介されているので、参考にしても良いですが、
大事なのは自分に合った方法で記録することです。

特に事細かく記録する必要はありません。
記録をめんどくさいと思ってしまえば、習慣に悪影響を及ぼします。
記録はあくまで習慣のための補助であって、目的ではありません。

自動で記録できるものは自動で記録し、
手動で記録するものは出来るだけ簡単にしましょう。

例えば、こんな風に。

  • ダイエット:毎日同じ時間に体重計に乗り、健康管理アプリで記録する。
  • 筋トレ:回数や時間を記録する。写真を撮って筋トレ前の写真と比較する。
  • ランニング:タイムや距離を記録する。スマートウォッチで記録するのは効果絶大です。
  • 読書:読んだページ数や時間を記録する。読んだ本を本棚に埋めていく。
  • 貯金:家計簿アプリで収支を記録する。給料日に目的別口座に自動振替する。
  • 勉強:学習時間の記録をつける。小テストを小まめに行う。

記録し、過去の自分の努力や成果が可視化された時、
小さな達成感があなたの背中を押してくれます。
「少しずつだけど、前に進んでいるな」と。

あなたは知らぬ間にレベルアップしているのです。
でも、記録していなければ、それを知ることはできません。

あなたは自分のレベルアップしている音が聞こえていますか?

成果はおまけです。


あらかじめ、はっきりさせておかなければいけないことがあります。
成果というのは簡単には得られません。
難しいことに挑戦しているなら尚更です。

記録を続けていても、すぐに結果が出ることは少ないでしょう。
最初は結果が出ない状況で、ただ黙々と記録を続けることになります。

ですが、いずれ記録が積み重なり、
自身が獲得してきた経験値が可視化され、
これまでの習慣で着実に進んでいる実感を持つことができれば、
先に述べた複利を利用して、いずれ長期的な成果が望めるでしょう。

すぐに成果を得ようとする人がどうなってしまうかは、
皆さんも心当たりがあるはずです。
短期間で痩せようと、無理な食事制限と過度な運動をして身体を壊してリバウンドしたり、
株やFXのデイトレードでギャンブル的な取引をして、
膨大な借金を抱えてしまったりする人がいることを思い出してください。

短期間で成果を出そうとするのは、「最悪の戦略」です。

何故最悪かといえば、

  • 競争優位性がない(誰でもできてしまう)
    →1日だけ頑張れる人は多いですが、1年間頑張れる人は少ないです。
     例えば、短期間で習得できる資格やスキルを持っていたって、誰でもすぐに
     習得できるわけですから、それは市場では評価されないですし、自分にとっての宝物にもなり得ません。
  • いつでも出来ると勘違いしてやらない
    →「本気出せば」いつでも痩せられるから、「本気出せば」いつでも大金を稼げるから。
     本気を出せばいつでもあっという間に成果を上げられるからと、
     口だけ達者で、一向に行動に移さない人を見てあなたはどう思うでしょうか。
  • 継続性がない
    →短期間で成果が得られると、習慣として身につく前にやめてしまいます。
     価値のあるのは習慣であって成果ではありません。成果を重視しすぎて習慣を軽視してはいけません。
     定期的な運動習慣・適切な食事制限がダイエットの価値であり、体重の減少には価値はありません。
  • リスクが高い
    →短期間で事を成そうとすると、
     ダイエットであれば、無理なカロリー制限や糖質制限を行って身体を壊すこともあるし、
     投資であれば、ハイレバレッジの金融商品に手を出して、短期間で資産を半減してしまうかもしれません。
     もし、成功すれば得られるものも大きいですが、失うものも大きすぎます。

成果は「果実が成る」と書いて成果です。
しかし、果実を早く収穫しようと、
苗に水をありったけ注いでも、腐るか枯れてしまうでしょう。
これは自然の摂理であり、当たり前のことです。

当たり前のことですが、人間の欲望は愚かで凄まじく、
ヒト科のホモ・サピエンスは例外だと勘違いしてしまうようです。

SNSで流行っているのは、
「超短期間で圧倒的な成果を上げる裏技」
「生産性を爆上げする神アイテム」
「〇〇するだけで今すぐ激痩せ」など、
すぐに成果を得ようとする人が飛びつくようなものばかりです。

生産性を上げたり、時短に気を使うことは大事ですが、
価値のあるのは習慣であって成果ではありません。

毎日コツコツと勉強している勤勉を愛してください、テストの点や合否に価値はありません。
毎日お弁当を作ってくれる愛情に感謝してください、弁当の見栄えや味は重要ではありません。
毎日遅くまで働いている労働を労(ねぎら)ってください、年収や役職はあなたの価値ではありません。

習慣を愛せば、こんなにも毎日が愛おしく感じることはありません。
少しずつ成長していく自分を楽しみましょう。

サンクコスト(埋没費用)を埋める

人間には、費やしたコストが多ければ多いほど、後に引けなくなる心理があります。
これを、心理学では「サンクコスト効果」と呼びます。

例えば、映画のチケット代を払ったからと、つまらない映画を見続けたり、
失敗することが明らかなプロジェクトに、
「ここで辞めるのはもったいない」と追加投資を続けたりすることです。
「あと10万円あれば取り返せるから」と負けを認めないギャンブル中毒者も典型的な例です。

ヒトというのは自分の失敗を簡単に認められないものです。
認められない人は、いつまでも失敗に時間とコストを費やし、
人生と精神をすり減らしていくことになります。
それがサンクコスト効果の怖さでもあります。


しかし、これは必ずしも悪い効果だけとは限りません。
失敗に対していつまでも依存することは良くないことですが、
成功に必要な努力に対して依存することは、決して悪くはないのではないでしょうか

例えば、毎日受験勉強を頑張ってきた受験生が、
「これまで青春を我慢して頑張ってきたのだから!」と、
自分を奮い立たせて受験勉強に更に力を入れることは、
別に悪いことではないでしょう。

習慣においては先に記したとおり、
毎日記録を続けることで、自分が費やした時間や労力というコストを再認識できます。
この「記録」が積み重なるほど、
これだけやったのだから、もうやめるわけにはいかない」という心理が働き、
習慣を継続せざるを得なくなります。

つまり記録とは、努力の軌跡であり、依存を生み出す装置でもあるのです。

ギャンブル中毒者はよく
「あの時やめておけばよかった…」と嘆きます。
実際はそこで簡単にやめられることはありませんが、
後には引けなくなるこの地点を帰還不能点と言います。

帰還不能点を超えてしまえば、もう後には戻れません。
戻れないのなら、前に進むしかありません。
いわゆる背水の陣という戦略です。

習慣においても、この帰還不能点を超えてしまいましょう。
退路を断ち、自らの目標に集中することができます。
やると決めた習慣なのですから、やめる必要がありません。

帰還不能点を越えるための具体的なテクニックとして、
先行投資するのも手段でしょう。

運動ならば、ジムを契約して先にお金を払ってしまう。
ランニングならば、まずマラソン大会にエントリーしてしまう。
勉強ならば、通信講座や学校に入学する。
料理ならば、食材をまず買ってしまう。
ブログなら、まずドメインを取得する。

お金を先に払ってしまえば、
日本人の特殊能力である「もったいない」が発動し、
途中でやめてしまうのを躊躇うことができます。

余談ですが、数十万円もする婚約指輪を恋人がせがむのは、
「これだけお金がかかるのだからこの愛は本物に違いない」と、
信じ込ませるためなのです。
結婚式・ドレス・結婚指輪…。
後に引けなくするために、あらゆる高額な儀式によって愛は保たれます。
一生ものの愛が欲しいならそれなりの対価を支払わないといけないのです…。

サンクコストというのは、
「埋没」費用なので、普段は埋もれて隠れているコストです。
しかし、あらゆる物事を冷静に見回してみると、
大半がこのサンクコストに縛られていることがわかります。


高かったからという理由で、
処分できない服やカバン、家具、電化製品が目の前にあったり。
こんなに長く勤めたからと、転職を躊躇ったり、
長い時間ずっと一緒にいたからと、
悪い人間関係を切れずにいたりしませんか?

依存は成長を阻害します。
サンクコストが依存の原因となっていませんか?

悪い習慣に関連するものは全て捨てましょう。
それは、あなたの人生の足を引っ張る重荷です。


良い習慣のために先行投資しましょう。
それは、あなたの背中を押すエンジンです。


サンクコストに埋められてはいけません。
サンクコストは、未来のために埋めるものです。


まとめ

習慣化は、意志力ではなく戦略が必要です。
決して頑張ろうとしてはいけません。
長くは続かず、いつか力尽きてしまいます。

習慣が続かないのは、あなたが怠惰だからではありません。
戦略を誤っているからに他ありません。


ここで紹介した5つの戦略を用いることができれば、
必ず習慣の継続に役立てることができるでしょう。

スクロールできます
習慣化の5つの極意目的具体的な行動
1. 報酬行動を楽しくする。行動に好きなこと(良い香り、音楽など)をセットする。
2. 簡単行動しやすくする。最初のステップを簡単化する。慣性の法則を味方につける。
3. ルーティン行動を自動化する。「〜をしたら、〜をする」と既存の習慣にトリガーを組み合わせる。
4. 最小目標行動を継続する。頑張らないけど、どんな日でも「0にしない」最小限の行動を設定する。
5. 記録モチベーションを維持する毎日記録し、サンクコスト効果を利用して継続を強化する。

今まで続かなかった習慣も、
これを機に続けることができるようになれば、
きっとあなたの自信になると思います。

どうか「めんどくさい」習慣を、
「当たり前」の習慣に昇格させてください。
継続すれば、やがて必ず成果は出ます。

shin

あなたの未来が輝かしいものになりますように!